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達人のひとりごと(JKLab)

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真空管アンプのカタログの見方

■■■ 真空管アンプのカタログの見方 ■■■

 真空管アンプのカタログの見方を説明しよう。データは音と関係ないと主張する人もいるが、ガレージメーカーの多い真空管アンプの場合、中にはとんでもない製品もあるので、一応チェックが必要だと思う。
 売れ行きの良いTriodeのTRV-A88SEプリメインアンプを例に取って見てみよう。

リンクを開いてみると、次のような仕様であることが分かる。
■最大出力: 12W+12W
12W+12Wというのはステレオで左右それぞれ12Wずつ出せると言うことを表す。最大出力は「真空管アンプの選び方」で述べたように、スピーカーの能率や普段聞く音量から決めると良い。これが50W以上になると大がかりなアンプになって高価になる。
■周波数特性: 15Hz-40KHz(±1.0dB)
人間の耳が検知できるのは20Hz-20kHzと言われている。本格的なアンプでは、この範囲が±1dB位に収まっていることが望ましい。しかし、小型のスピーカーと組み合わせるアンプの場合は、スピーカーからそもそも重低音が出ないので、せいぜい50Hz位から出ればよいだろう。
■全高調波歪: 0.1%以下(1KHz)
高調波歪みというのは、2倍波3倍波など信号から派生する倍音の振動の大きさを表す。5%以下であれば問題ない。小音量で聞くアンプの場合は、むしろ歪みが大きい方がよく聞こえることもある。
■SN比: 88dB 
この項目が一番メーカーの技術力を反映している。最大出力と雑音出力との比をdBで表している。90dB以上(またはそれ近く)あれば問題ないが、70dB以下だと性能的には物足りないと思う。
■入力感度: 0.7V
最大出力時の入力信号電圧である。ソースとしてCDしか使わないのなら、2Vで最大出力になれば問題ない。それはCDプレーヤーの出力が普通2Vあるからだ。しかし、アナログプレーヤーとプリアンプを組み合わせている場合は、カートリッジの出力電圧が小さいこともあるので、0.5Vくらいで最大出力が出た方が安心だ。
■出力インピーダンス: 6/8Ω
最近のスピーカーは8Ωと言っても実際にはそれよりかなりインピーダンスの低いものがある。その場合、真空管アンプでは、出力管への負担が大きくなり過ぎることがあるのだ。出力インピーダンスとは、出力につなぐスピーカーの最適インピーダンスのことである。6/8Ωと書いてあれば、両方を切り替えて最適な状態を選ぶことができる。トランジスターアンプでは、このような表記はない。それは、トランジスターアンプの場合、スピーカーのインピーダンスが低いほど、大きな出力が得られるからである。
■消費電力: 60W 
これは信号を入れないときの消費電力である。最大出力時は、全出力の数倍増えることになる。
■重量: 11.5Kg
大きなトランスを積んだステレオアンプではかなり重くなるので、ぎっくり腰に注意。もっともパワーが大きければ、トランジスターアンプでも相当重いはずだ。
■サイズ:横230x奥行400x高185mm
真空管アンプは意外に大きいことが多い。それに放熱のため周り(特に上部)にスペースを空ける必要があることを忘れてはいけない。このアンプはなかなかコンパクトだが、奥行きは400mmと結構ある。

さて、この他に結構音に関係がある数値としては、
■ダンピングファクター(D.F.)
スピーカーに対する制動力を表し、数値が大きいほど制動力がある。しかし、真空管アンプでは、5くらいが良いとする人が多い。
■チャンネルセパレーション
片側の音が、反対側のチャンネルにどれだけ漏れるかを表す。数値が大きい程よい。60dB以上あれば問題ない。


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